ある少女の物語「真紀~!おきなさい!」朝からうるさいほど元気な母親の声が聞こえる しぶしぶ私は、制服に着替えて、下の階へいった。 「早く食べなさいよ!」 「ふぁ~い」 私は食パンにかじりつきながら、一人の男の事を考える。 そんな事考えている間に、遅刻寸前だった。 「真紀!真紀!時計!と・け・い!」 わざわざ、二回ずつ言わなくてもわかってる。 ・・・牛乳ぐらいだしてほしい・・・ そりゃあ、母親が大変な事は見てればわかる 「あれ?姉ちゃんまだ学校いってなかったの?」 まだ眠気ののこるような弟が、階段から降りてきた 「あんたに言われたくないけどね」 私はブスっとしながら学校にむかった 通り道でいつも見る猫もゴミをすてるおばさんも、毎日の決まりなど、守っている事は守っているのだろう。 ・・・この男をのぞいて・・・ 「・・・おはよっ・・・杉田?」 「・・・ああ・・・おはよ。源でいいよ」 「・・・・・」 男は、眠たげにあくびをした 「あんた、また制服きてないの?」 「うん~・・・焼けちゃってね」 「・・・焼けたって・・・」 「先生に言っといたし、そのうち制服買わないと」 昨日、日曜日だから買えばよかったなど、この男に言っても無駄だと、思った。 いつからだろう・・・こいつと話をするようになったのは 席が隣になってから? ・・・話をしたのはほんの2・3日前。 まったく、眼中になかった そうか、こいつが制服きなくなってからだ・・・ 「真紀~!元気?元気?」 「梨花・・・なんで朝からそんなに元気なの・・・?」 「朝なんて関係ないも~ん!!!あっ!この消しゴム使っていい?」 「・・・ふぅ」 朝っぱらから元気なこいつは幼馴染の「大鍋 梨花(おおなべ りか)」本当にやかましい奴だ 「あっ!ごめん消しゴムもげた~!」 私の目の前でくすくす笑う。 人の消しゴムもいで、楽しいのか? キーンコーンカーンコーン・・・ ・・・母親は疲れていたのか、お弁当は日の丸。おかず=梅干 ・・・隣で梨花が大爆笑する 「うひゃひゃひゃひゃ!!!!!な・・・さすがにっぽ・・・げひゃ!」 ・・・げひゃってお前・・・ お昼を食べ終わり、廊下でぶらぶらしていると 制服を着ていないのであからさまにめだつこの男 ・・・何もいわず、私はただ近くにいる 「ねぇねぇ」 梨花が私の髪をひっぱった 「いたたたた・・・!」 「源君の事、好きなの?」 んな事聞く前に謝れよ・・・額に青筋が入るのを隠した 「ねぇねぇ!そーなの?」 「・・・梨花・・・言いたい事はそれだけか?」 「答えなさい!・・・なんちゃって~」 「・・・ふぅ・・・好きって言うか・・・傍にいたら落ち着くだけ」 「好きと違うの?」 「う~ん・・・香りが好きって感じ・・・」 「好きなら好きって言いなさい!」 「だから違うって・・・」 そうだ、あんな奴好きじゃない そう・・・ 憂鬱なまま、家に戻った 「おかえりねーチャン」 「・・・徹?・・・まだ部活行ってる時間じゃない!何してんの!?」 「休みなんだよ」 ・・・う~・・・なんでこんなにイライラするんだ・・・ 梨花に言われてからだ・・・ 梨花に・・・ ああ!もう!何回あいつに消しゴムもがれたんだよ! 母の証言によれば朝私は、眉間にしわをよせて眠っていたそうだ ------------------------------------------------------------ 朝、いつもよりかなり早く目が覚めた。 ・・・何だかこんな日は気持ちがいい。 昨日の事が、うそのようだ。 「・・・外でも行ってみるかな・・・」 無意識に、外に飛び出していた。 「綺麗だな・・・」 花がまるで、ワタシを待っていたかのように、 風になびき、おいで おいで と言っているようだ 「・・・ちょっとぐらいいいよね?」 私は呟いた。 ___________________________________ 「へぇ・・・朝早くに来るだけでこんなに景色が違うんだ・・・」 ポツリと言葉が飛び出す 大きな石に腰をかけてしばらくぼーっとしていると・・・ 「ガサ」 私は音のなった方を向いて、あわてて腰をかけていた石に隠れた (同じ学校の奴だったら最悪だ・・・!!) ジャンル別一覧
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